中国のCRS研究

中国市場は、政府規制の影響を受けやすく、企業活動に関しても、投資家のみならず政府関係からの説明要求に応える必要性が高まっている。

特に昨今の急激な経済発展に伴い顕在化している労働問題、環境問題、格差問題に関しては、国営企業、民営企業、外資系企業を問わず、CSR広報活動を通じて説明責任を果たすことが要求されはじめている。

日本のCSRレポートは、CSRのグローバル標準である「ISO26000社会的責任に関する手引き」もしくはGRI(Global Reporting Initiative)の「GRIサスティナビリティ・リポーティング・ガイドライン」を参照するものと、環境省の「環境報告ガイドライン」等日本特有のガイドラインを参照するもの、あるいは、これらのガイドラインの項目を独自に抽出して作成しているものが混在している。

一方中国では、政府のシンクタンクである中国社会科学院経済学部の企業社会責任研究センター(CSR研究センター)が、ISO26000の枠組みに基づき、労働関係・環境問題等中国の国内事情を加味して独自に策定した独自のガイドライン『CSR編集ガイドラインCASS-CSR2.0』を策定・推奨しており、これが中国のガイドラインとなっている。

このガイドラインは、中国で事業活動を行う国営企業、民営企業、外資系企業で参照されており、2012年度から中央政府管轄の全ての国営企業がCSRレポートの提出を義務付けられるようになった。現時点で外資系企業に対しては絶対要求段階ではないが、ここ数年、日米欧のグローバル企業を中心に『CSR編集ガイドラインCASS-CSR2.0』を参照する企業が徐々に増えている。